みだらなキミと、密室で。
「まぁ、でも、乃々歌ちゃんもすっごい清々しい顔してたからな〜俺もみんなのこと誘えてなんだかんだよかったよ」
そう言われて、ちょっと引っかかっていたことを思い出す。
「あ、そういえば伊月さん、乃々歌ちゃんが遥琉に未練があるって言ってましたよね?」
伊月さんがさらに不安を煽るようなことを言ったから、余計怖かったんだ。
でも、結果的に、乃々歌ちゃんは遥琉に未練なんてなさそうだった。
っていうか、帰り際には『頑張って!』って背中を押されたし。
「そんなこと言ったっけ」
「えっ、」
とぼけてやがる。
「海風ちゃんって意外とすぐ人のいうこと信じるよね〜もっと人のこと警戒して生きなきゃ女の子は危ないよ〜?そんなんだとすぐキス写真なんか撮られちゃうんだから」
あ、そうだ!!あの写真!!
「っ、危ないのは伊月さんじゃないですか!ていうかあの写真!」
「幸せのあまりちょっと忘れてたでしょ」
「そ、そんなことは……」
正直、図星なので口ごもる。
「嘘つけないところ、好きだよ。ほらいいよ、海風ちゃんの手で消しな」
伊月さんはそう言って、カメラロールを開いた自分のスマホを私に差し出した。