みだらなキミと、密室で。

自分の中にどんどん黒い感情が出てきて、どうにかしなきゃと思うけどなかなかうまくできない。

「とりあえず、コンビニ寄っていつものところ行こうか」

パパはそう言って車を発信させた。

パパは今、どんな顔をしているんだろう。
わからない。

普段なら、パパの方から、ママは元気にしてるか?なんて聞かれて、

それから、学校のことやバイトのこと、いろんな話に膨らむのに。

正直、奈央さんがいると、なにを話しても気に障るじゃないないかと思って、なかなか話ができない。

車内にはお昼のラジオが流れてて、それがまだ救い。

本当の沈黙だときつすぎるって。

「海風ちゃん、バイトしてるんだって?」

「へっ、あ、はいっ」

「偉いね〜〜」

突然後ろから話しかけられて、あからさまにびくつく。

偉いね、だって。
私のなにを知ってるのよ。
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