みだらなキミと、密室で。



「よし着いた!」

車を30分ほど走らせてついたのは、パパが私と会うとき毎回連れてきてくれる、高台。

屋根がついたベンチテーブルが2つついていて、時々、カップルがそこで過ごしたり、家族連れが弁当を食べたりもしてる。

高台の下は公園になっていて、ここから階段で繋がっている。

景色がすっごくよくて風が気持ち良くて。

周りには緑の木々が生い茂っていて風がそれを揺らす。涼しい。

8月のこの暑い時期にはだいぶ癒される。

「いいところね〜」

そう言いながら、奈央さんがベンチに腰を下ろしてさっき寄ったコンビニで買ったお茶を飲む。

やっぱり綺麗な人だ……。
ベンチに座ってお茶飲んでるだけで絵になるぞ。

私とパパも一緒にそのベンチに座る。

「……海風ちゃん、ありがとうね」

「へっ、」

正面に座る奈央さんがいきなりお礼を言ってくるから驚いて顔をあげると、

優しい微笑みを向けてくれた。
< 272 / 300 >

この作品をシェア

pagetop