みだらなキミと、密室で。
「っていうか、エレベーターに閉じ込められたときに突然キスしてきたんでしょ?話聞いてる限り、有馬 遥琉も海風のこと好きなようにしか見えないけどね」
「え……えっと、依茉ちゃん、話聞いてた?」
さっきまで真剣に話を聞いてくれてたのに。
聞いてたとはまったく思えないような発言にびっくりしちゃう。
距離を置いたのは遥琉の方なのに、そんな遥琉が私のことを好きなんて考えられない。
っていうか好きな子を脅すなんて普通しないでしょ。
「聞いてたよ?一語一句聞き逃さず」
「だったら……」
「嫌いで距離置いていた子に今更近づいてキスなんてする?嫌いなら関わりたくもないも思うけどね。何か理由があって海風から仕方なく距離置いたとしか」
依茉ちゃんの発した『キス』の響きに顔がさらに熱くなって全然収まってくれない。
「いやぁ〜依茉ちゃん、あいつのチャラさを舐めたらいかんよ。今のあいつなら相手がゴリラだろうとするだろうよ」
「え〜じゃあ今から有馬くんを動物園に連れて行ってゴリラにキスするか確かめようよ」
「うっ、言葉の綾ってもんじゃん……」