みだらなキミと、密室で。
……うわぁ、まじか。
ざわざわと人が行き交う廊下を潜り抜けてやつのいるA組にたどり着き、
教室の中を覗いてやつを探せば。
窓側の一番後ろの席で、この教室の中で一際目立つ派手なグループに囲まれてる遥琉がいるではありませんか。
なんじゃあれ。
やっぱり帰ろうかな。
あの中に入っていって遥琉と食事をするなんて、想像するだけで食欲が失せる。
食べること大好きな私の食欲がなくなるなんて、相当だ。
あんなの、どうやって声かければいいの?
だいたい、遥琉の方から来てくれって頼んだくせに、あの態度はどうなんだろうか。
もっとこう、私が来たことにすぐ気がつけるように教室の入り口付近を気にしておくべきじゃない?
周りとのおしゃべりにワイワイと盛り上がっている遥琉を見ていると、私が来ることなんて忘れてるんじゃ、と思う。
あ、そっか。
忘れてるのか。
なるほどね。
やっぱり、所詮、からかう程度で私にかける言葉なんて全部、意味を持たないんだ。
遥琉との約束を本気にして会いに来た私、すっごく滑稽じゃん。
恥ずかしっ。
もういい。さっさと帰ろう。
今度こそ、無視してやるんだから。
そう思って、教室に戻ろうと、歩いてきたばりの廊下に身体を向けた瞬間。