みだらなキミと、密室で。



「だからここは、こうなる」

「うわぁ〜依茉ちゃんわかりやすすぎだよ〜!その顔面で勉強もできるなんて無敵すぎ……」

あっという間にやってきた放課後。

バイトまでの少しの時間、私は、今朝の数学の授業でもらったプリントを依茉ちゃんに教えてもらいながら解く。

依茉ちゃんの教え方ったらほんと先生よりもうんとうまいんだからびっくりしちゃう。

「嫌でもやらなきゃいけないからね〜。海風はバイトで忙しいからしょうがないじゃん?私は海風が働いてる分、勉強してるだけだし」

「依茉ちゃん、やっぱりバイトするの難しい?」

「あ、うん。そうだね〜。お金が必要ならその都度わたすから学生のうちは勉強してなさいだってさ〜。社会勉強の一つにやりたいとか言えることは全部言ったんだけどね」

依茉ちゃんは『全然無理』と言いながら、お昼に売店で買ったお菓子に手を伸ばす。

「そっか〜いやでも依茉ちゃんパパたちの気持ちわかるからな〜。こんっな可愛い一人娘、外に出す方が心配だよ。変な虫つかれたら困るし」

「いやいや、ただ過保護すぎるだけだって〜」
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