みだらなキミと、密室で。
「ねぇ遥琉、あんな誤解を招く言い方しないでくれる?私はあんたと違うの!」
「違うってなにが?」
そう聞き返しながら、机に置かれた私のランチバッグに手を伸ばす遥琉。
「私は遥琉みたいにチャラチャラしてないってこと」
「ふーん、海風には俺がチャラついてるように見えるんだ」
「はぁ?当たり前でしょ?普通エレベーターであんな……ってちょ、それ私の弁当!」
脳内で、遥琉と女の子のエレベーターでのあのシーンを思い出してため息がでた瞬間、
私のランチバックから弁当箱を取り出してパカッと蓋を開け出している遥琉が目に入った。
なにしてんのこいつ!
「今日から、海風のものは俺のもの」
「はぁ?なに言ってんの?じゃあ私なに食べればいいのよ!ってか持ってきてないわけ?購買にでも行けば……は?」
お弁当をとりあげようとすると、私の顔の前に遥琉の手のひらが伸びてきた。
「な、なに……」
「12万払って」
「……っ、」
「それが嫌なら言うこと聞いてね。ちゃーんと海風の分も用意してるから」
そう言って遥琉が机の横の鞄掛けから取り出したのは購買のビニール袋。
中にはパンが数個入っていた。