みだらなキミと、密室で。

いやいやいや!
いやいやいや!

あるじゃん!遥琉のお昼ご飯、ちゃんとあるじゃん!

ならわざわざ私のこと呼び出して弁当奪うことしなくて良くない?

「あるならいちいち呼び出さないでよ……」

「パンの気分じゃなくなった」

「だからって、今日の私のお昼がごはんなんて保証なくない?サンドイッチかも」

そんな簡単に自分のお弁当を渡してたまるものか!
ママのお弁当、私の楽しみの一つなんだから。

「今朝、海風がノロノロ準備してる間に千秋さんがお弁当の中身見せてくれたから中身は把握してる」

「……っ、」

くっそぉ……なんなんだよ!!
私だって弁当の中なんていつも知らないんだからね?!

起きるのが遅いのがいけないんだけどさ!
そんな話は置いておいて。

「ここでスマホ代払うか、弁当譲るか」

「……最低」

小さくそう呟いて、渋々、遥琉に弁当を渡す。

「どーも」

満足そうに弁当を受け取ってフワッと笑う遥琉があまりに爽やかで腹が立つ。

なんなのよほんと。
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