みだらなキミと、密室で。

ママの作るおかずをどんどん口に運んでいく遥琉に釘付けになる。

なに、今のなに。

まさか私、遥琉に、励まされたの?

ママに毎日お弁当を作ってもらうこと、嬉しい反面、申し訳ないって気持ちがずっとあった。

だけど今、遥琉から話を聞かされて、心の中にあった不安な塊が一つ、スーッと溶けていくような。

「まぁ、海風の気持ちがどうとかいうより、俺が千秋さんの作る弁当食べたいから、断ったりしたら許さないよ」

「……は?」

前言撤回。
結局、自分が食べたいだけかよ!!

「いやいやこれからもママには作ってもらうけど遥琉にはあげないからね?」

「なにそれ。海風自分の状況わかってんの?俺は今、被害者なんだよ?」

遥琉はミートボールを口に放り込んでからブレザーの内ポケットから、画面の割れたスマホを取り出してこちらに向けた。

「うぅ……」

性格悪すぎでしょ!!

いつからそんなねじ曲がった性格になったのかね!!
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