みだらなキミと、密室で。
「ふたりがあの日、エレベーターに閉じ込められて、有馬くんのスマホが壊れて、7年止まっていた2人の時間がまた動き出したこと、私は、きっと何かあるんじゃないかって思いたいよ」
「依茉ちゃん……私たちの関係はそんな綺麗なものじゃないよ」
心の奥にある遥琉への私の気持ちに、依茉ちゃんが気を遣ってくれてるのは、心に染みるぐらい嬉しい。
だけど……。
「海風の今まで悩んでこととか苦しんできた重さに私が寄り添うことは限界があるけれど。でも、どうして有馬くんが海風の前からいなくなっちゃったのか、私も知りたい。そして海風を悲しませたこと反省してほしいよ。海風だって、そうじゃない?」
「……っ、」
依茉ちゃんってすごい。
エスパーなのかと思っちゃうほど。
依茉ちゃんの言う通り、私は、遥琉の自分勝手な行動に嫌気がさしていながらも、
本心では、遥琉の本当に考えてることが知りたいって思っている。
そう思ってもいいんだって、この私の矛盾した感情を受け入れてくれるみたいで。
「それにお弁当の件ならまかせて」
依茉ちゃんは、なにかを企んだ笑みを浮かべてそう言った。