ヤクザとかお断りです!!

1.人生とは不思議なものです。

「払えねぇなら風俗でも行くか？」

お父さん、お母さん、なぜこのような状況になっているのでしょうか。
私の名前は伊藤寧々。今日は大学の講義がないから家でゴロゴロしていた。
インターホンが鳴るまでは。

そう、インターホンが鳴るまでは!!

玄関のドアを開けると、目の前にはイケメンが!!と思ったのもつかの間、そのイケメンに脅されている今現在。

「おい、聞いてんのかよ」

はい、しっかりと聞いておりますとも。

このイケメンもとい、斎藤と名乗ったこの男。知り合いではないことは確かだ。

「まぁ、お前も災難だったな。元彼の借金の保証人になるなんて、俺から言わしてもらえばバカとしか言いようがねぇけどな」

ん?!

「借金!?保証人!?」

どういうこと!?

「さっきから言ってるだろ。お前の元彼の佐々木優が飛びやがったんだよ。だから、保証人のお前のところに来たってわけ。」

佐々木優は元彼であるが、借金の保証人になった覚えはない。

「ほらここにお前のサインがある」

斉藤さんが見せてくれた書類には確かに私のサインがあった。

「え、いつ…。」

日付は一年前の9月。

「あ…。」

「なんだ、覚えてるじゃん。なら話は早いな。借金500万きっちり返してもらうからな。」