140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

こんな風に時間も場所も超えてしまってるなんて、もう考えてもどうしようもない気がして、ぼんやりと、我ながら間抜けな返事をしたと思う。


「はぁ、じゃないだろ、ったく。お前と話してると気が抜けるな。やめやめ。敵じゃないなら堅いこと言いっこなしだ。そういえば、まだ名前訊いてなかったな、俺は昇。日が昇るの、ノボル。手荒なことをして悪かった」


昇と名乗ったその人は、緊張を解いたように大きく伸びをした。


「あは…仕方ないですよ。あたしこんな柄の服とか着てますから…。昇、さん、ですか。あたし、弥生です」

「です、とかそういうのも無し無し、なあ、これ、俺も撮れる?」

「え、あ、はい…じゃないや。うん、撮れるよ」



敬語なしと言われて、距離がぐっと縮まった感じがした。
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