140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「ああ。ホルランヂヤがやられて、そのあと慌ただしくして2日ばかり歩き通しでここまで来たんだ。センタニも既に陥落しているから寄れずじまいさ」

「ホル…?センタニ?」

「帝国軍の港や空港のある場所さ。今は敵が占領してる」

「そうなんだ…大変だね」

「ああ、大変だな。だけど俺は弥生のほうが大変だと思うがな」



そう言って朗らかに笑う昇さんは、さっきまでの軍人っぽい雰囲気とはもう全然違っていた。

臭いことを除けば、令和の時代にもいそうな普通のお兄さんだ。


敵に攻め込まれて逃げている最中なのに、タイムスリップなんてあり得ないものをしてしまったあたしを気の毒がる余裕があるらしい。
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