140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
2 さよなら、弥生
あたしたちは遠ざかっては近づく敵襲を警戒して、しばらく茂みに隠れていることにした。
だいぶ日が高くなってきて、暑さが増してくる。
茂みの中はまだいくらかはマシなんだろうから、今、外に出たらきっともっと暑いに違いない。
こんな暑さの中で何日もお風呂に入っていないというのは、自分だったら耐えられないなと思った。
「お風呂、入れないのツラくない?」
「まあな」
「敵がいなくなったら、すぐそこの池?みたいなとこで水浴びくらいしてきたら?」
「いや、そんな悠長にはしていられない。隊に合流しないと」
「合流?」
「この空襲でかなりかき乱されたんだ。皆散り散り逃げたからはぐれてしまった」
そうか、仲間がいるんだ。