140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

泥だらけの手だってことも忘れて、あたしは自分の頭を探る。


いく…お…
あたしの、名前…



「手をどけてろよ。髪は女の命というが、許せ。軍規じゃ坊主なんだ。生きてりゃまた伸びる」

「う…うん」



刃が、頭皮を滑る。
頭、切れないかな…

ヒヤヒヤしながら、落ちる髪をただ眺めた。


頑張って伸ばしたのに…

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