140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

手の平に、ちょこんと乗った数個の乾パン。

昭和19年なんていうからどんなものが出てくるのかと内心ヒヤヒヤだったから、見たことがあるものを見ることができて、なんだかホッとした。


カリカリの堅い乾パンを口の中で溶かすようにしながら噛む。

噛んだら、小麦粉のかすかな甘みが次第に口の中に広がってきた。

避難訓練で食べたときはつまんない食べ物だと思ったけど、結構いけるかも。


うん、意外と。

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