140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

木の上で音がして、敵でも潜んでいたのかと焦った。


「わ、すごい…」

「空が静かになると、出てくるんだ。この辺りは特に多い。湖の側だからかもな」



見上げたら、熱帯植物園の鳥舎かと思うほどの絶景だった。

木々にとまる、カラフルな鳥たち。

まるでフルーツみたいに、宝石みたいに。


そうか、熱帯ってこの辺りのことだ。

自然の中に普通にいるんだ。

動物園とかペットショップにいるのが普通というか、もともと野生動物だなんて考えたこともなかった。

< 130 / 481 >

この作品をシェア

pagetop