140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
木の上で音がして、敵でも潜んでいたのかと焦った。
「わ、すごい…」
「空が静かになると、出てくるんだ。この辺りは特に多い。湖の側だからかもな」
見上げたら、熱帯植物園の鳥舎かと思うほどの絶景だった。
木々にとまる、カラフルな鳥たち。
まるでフルーツみたいに、宝石みたいに。
そうか、熱帯ってこの辺りのことだ。
自然の中に普通にいるんだ。
動物園とかペットショップにいるのが普通というか、もともと野生動物だなんて考えたこともなかった。