140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「きれー…」

「女の派手好きは今も未来も一緒なんだな」

「今も?」


ずきん。

昇さんがいう、「今」の女って…

あたしはもう、このほんの少しの間に、昇さんを意識しだしてる自覚がある。


たぶん、好きに、なってしまっている。


優しくて、逞しくて、自分だって大変なのに冗談を言って笑わせてくれるこの人を、好きになるなと言われたらそれは無理だと思う。

だけど、あたしより歳も上っぽくて、もしかしたら日本に奥さんがいたっておかしくない。

そしたら、諦めるしか、ない…


あたしは昇さんの次の言葉を、息を止めて待っていた。
< 131 / 481 >

この作品をシェア

pagetop