140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

もう優秀な操縦士も充分な燃料もなくて、と言いそうになって、慌てて口をつぐむ。

負けたって、わかってしまう。


「この無茶めの作戦で日本が勝ったんだよ。今の時点だとまだ行われてないのかも」

「そうか…楽には勝たせてもらえないんだな、体当たり前提で飛ぶなんて」


昇さんの表情は、もう暗くてよく見えない。

だけど、それまでの明るいトーンの声ではなくて。


木の上の鳥たちも巣に帰ったのか、静まり返る森の中で昇さんの声が重く響いた。
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