140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

昇さんがあたしをからかいながら、集めた枯れ枝の上に飯盒を掛けた。

手際よく火をおこすとあっという間に火が大きくなる。


炎に照らされた昇さんの顔が、柔らかく微笑んでいた。


「じきに食えるからな」

「うん」


虫たちの声と、炎がパチパチと枝を焼く音が耳に心地いい。

昇さんと一緒なら、こんな野宿だって、なんだかワクワクするよ。

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