140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

カメラは、ホルランヂヤでお世話になった人のものらしい。

一緒にいたところで戦闘機に攻撃されて亡くなってしまったそう。


「撮ってばかりだからと、俺が無理やりカメラを取り上げて撮った笑顔が最期になった」


それから昇さんは目頭を押さえて、しばらく黙ったまま俯いていた。

それって昇さんの目の前で、ってことだよね…

辛すぎる…


「このカメラは軍の記録用だけど、俺は仲間たちの写真をたくさん撮って帰りたいと思ったんだ。縁起でもないが、写真1枚残さず死んでいくなんてそのほうがよっぽど酷い話だろ。生きてりゃ、あんときは苦労したなと酒の肴になるんだから」


そう言って、ニカっと子供みたいに笑った。

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