140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「そうだね、写真って、あとで見るとすごく楽しいよね」
「だろ?」
「あたしも撮ってよ?」
「もう、全部撮り終わってるんだ。すまんな。海でお前を撮ったのが最後だったと思う」
昇さんはカメラの蓋を開けると、単一電池みたいな円筒状のものを取り出して手渡してくれた。
「え、これ何?」
「フィルムさ。未来にはないのか?ははは。さて、と。腹がまた減らないうちに寝るぞ。夜が明けたら出発だからな」
「え、あ、うん…と」
「ん?ああそうか」