140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

ありそう、って何がだろう。

でもそれより。

敵、と言われて心臓が跳ねた。

湖岸のほうが危ないけど歩きやすいということなのかな。

言われるまま、あたしは昇さんに従った。


30分くらい歩いた頃、あたしたちは湖岸に面して開けた一帯に出た。


「ああ、畑が荒らされてる。このあたりを通ったようだ」

「みんな先に行ったの?」

「そうだと信じたいな」


警戒して険しい表情で早歩きする昇さんのあとを必死でついていく。

辺りを見回す余裕はなくて、あたしはもう走るみたいになっていた。

突然、昇さんの足が止まる。


「わぁっ」

「シッ、黙って」

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