140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
4 ここで生きる覚悟
人気のない荒れた畑の隅に、木造のバス停みたいな小さな上屋があった。
そこにもたれかかるようにして軍服の男の人が座っているのが見える。
「あの人!日本軍の人!?」
「そのようだ」
「寝てる?具合でも悪いのかな?」
「…………」
何も言わない昇さんの様子が気になったけど、あたしは味方を見つけた気持ちでテンションが一気に高まっていくのがわかった。
「行くな!」
「えっ」
はやる気持ちが抑えられなくて、足早になっていたあたしを昇さんが止めた。
そうだった。
あたし、この格好のまま他の軍人さんに見つかったらマズいんだった。