140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
何もしようとしない昇さんに、つい、言ってしまった。
だけど気持ちの持って行き場がなくて、あたしは素直に謝ることもできなかった。
戦争中なのはわかってるけど、あたしだって好きでこんなとこに来たんじゃない。
なんでも揃って医療も充実してる時代に生まれたのだって、あたしが選んで生まれたわけじゃない。
全部、偶然。
だから、昇さんに「お前の時代じゃない」なんて嫌味っぽく言われたことにも、少し、腹が立った。
そんなあたしをよそに、昇さんはその軍人さんに長いこと手を合わせてたけど、それが済んだらその軍人さんの靴を脱がし始めた。
昇さんが触れたことで、軍人さんの体がかすかに揺れた。
その瞬間。
「あっ…嘘…っ」