140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「これを履いて」


昇さんが、静かな声でそう言って、軍人さんが履いていた靴をあたしの顔に近づけた。

その冷静さが、ショックで。


だってそれ、死んだ、亡くなった人の靴だよね?

しかも死体に集った虫もついてるような不潔な靴だよ…

洗ったって、そんなの使いたくないよ。


気になり始めてる人の側にいるのにお風呂にも入ってなくて、その上こんなの履くとか、もうこれ何の罰ゲーム?

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