140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

あたしは思ってなんかいないけど、でも嘘でもない、半ば投げやりな言葉を呟いた。

そうしたら、昇さんが凄い剣幕であたしの両肩を強く掴んで揺さぶった。


指が食い込むくらいの強さで、掴まれたところが痺れるみたいに痛い。


「ちょっ…」

「頼む。どうか辛抱してほしい。お前の住んでいた未来の話を聞けば、今がこの上なく野蛮で下衆な時代なのは承知だ。その上ここは未開の地で、この時代の本土にいた俺でさえ不潔で非文明的な場所だと感じている。だけど俺はお前をこのまま置いて死なせるわけにはいかないんだ」

「昇、さん…」


昇さんがあたしの座り込んだ高さまで腰を落として、見上げるようにあたしに語りかけてくる。
< 176 / 481 >

この作品をシェア

pagetop