140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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降りしきる雨が腐敗の臭いを軽くしてくれている。

軍人さんの服も、軒から落ちる雨で洗うことができた。


「雨でよかったな」

「うん。でもこないだは晴れで良かったって言ってなかった?」

「晴れも雨も善し悪しあるさ。これだけまとまって降っている間は敵も飛んで来ないし、こうして洗濯ができるんだ。今日は雨がいい。お前は運がいいぞ」

「運が良かったらタイムスリップなんかしないよ」

「それもそうだな、ははは」


あたしがぷうと膨れてみせたら、昇さんも声を出して笑った。
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