140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

昇さんが笑うと、名前の通りおひさまが昇ったみたいに気持ちが晴れになる。

こんなところにタイムスリップしたのは運が悪いのかもしれない。

だけど、ここじゃなきゃ、昇さんには逢えなかったかもしれないんだから、あたしはきっと運がいいんだ。

もう、昇さんじゃない人と出会って、なんて思わない。

あたしは、この時代の、この場所で、昇さんと生きる。


「さて、やるか」

「なにを?」

「仏さんを埋めてやらんと」

「あ、あたしもやる」


雨の中、あたしたちは上屋の脇に穴を掘って、できるだけ丁寧に埋葬した。
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