140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
ぎゅうっと絞ったタンクトップを開いてパンパンと鳴らしながら水を切ると、昇さんはまだ濡れたままのそれを着て、手拭いで頭や顔を拭きながら空を仰いだ。
空が、さっきまでよりも一段明るくなっていた。
「そろそろ止むかな」
「止みそうだね」
「雨が上がったら、また森に潜行するぞ」
「うん」
それを聞いて、あたしもまだ濡れたままの靴を履く。
大きいから、マリンシューズを履いたままでその上から。
少し重たいけど、格段に歩きやすそうだと思った。