140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
戦わない戦争
1 ジャングルの洗礼
それから丸4日かけて、あたしたちは昇さんが言っていた湖の西端、ヤコンデまで辿り着いた。
毎日の敵襲、膝まで浸かる河、突然降った雨に湿ったジャングルで火がおこせない夜、先を歩いた人の息絶えた姿を嫌というほどに超えて、やっと。
だけど、見回しても人の気配はなくて、いくつかのグループが暫く留まっていたらしき跡だけがあった。
「ああ…、どうやら先に進んだようだ」
「ごめん…あたしのせいだよね」
「いや、お前はよく頑張ってるよ」