140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

手のひらに、小さな米粒。

口に入れて、奥歯で噛んでみる。


固っ…!

世界一堅い煎餅だと思って、必死に噛み砕く。

口の中、わずかだけど甘みを感じる。

乾パンもそうだけど、よく噛めばこうして甘みが出てくるの。


いままであたし、小麦とかお米の甘みなんて、気にしたこともなかった。

おかずがある前提で、ご飯は味がないもの、みたいな。

それに…

お米は炊けているのが当たり前で、家では全部お母さんがしていたし、炊飯器のスイッチ押せば食べられるものだと思ってた。

だけどここでは違う。
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