140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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食べるものがなくて早々に眠ったせいか、それとも空腹のせいか、ううん、その両方かもしれない。

あたしはまだ夜が明ける前に目を覚ましてしまった。

辺りは真っ暗で、だけど星明りがほんのり空から照らしていて、次第に目も利くようになってくる。


テントを出て、少しだけ歩いてみた。

カエルの合唱と虫の声が響いていて、あたしが歩くと急にそこだけ静かになる。

虫もカエルも、あたしがいた時代と同じだ。

日本を遠く離れた場所でも、過去でも。

なのに、あたしだけが切り離された。


「っ……っく……」
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