140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
湖岸で服や靴についた泥を濯いでいたら、太陽を何かが遮るみたいに大きな影が通りすぎた。


「まずい!」

「あっ」


敵機だ。


あたしたちは降ろしていた荷を両手に持って、樹の方へと駆け込んだ。

心臓がバクバクいっている。

こんなに近くを敵機が通ったのは、昇さんと会ったとき以来だった。

やっぱり見通しの良い場所は、危険なんだ。

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