140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
昔…
テレビで見た野生動物の特集を急に思い出した。
野生動物は、次の瞬間に食われるとしても餌を探すことを止めない、って。
同じだ。
今のあたしたちと、同じ。
あたしたちも、次の瞬間に撃たれて死ぬとしても、食べなきゃそれも死なんだ。
だから、食べ物を探すことを止められない。
「ここで待ってるか」
「ううん。また襲撃とかあってはぐれでもしたら、それこそ生きていけないから、行く」
「よし、それでこそ生男だ」
「うん」
荷を整え終わった昇さんに続いて、根をくぐった。
空は、怖いくらいに静かだった。