140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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その晩、あたしたちは数日ぶりの白いご飯と、食べきれないほどの焼魚を頬張った。


昇さんが残り少ない塩をふって焼いてくれた魚は、少しお母さんの味がした。

家じゃ、夕飯が焼魚の日は葉月と文句を言いながら嫌々食べていた。

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。


湖の魚は少し泥臭かったけど、それでも本当に今まで食べたどんな魚よりも美味しく感じた。


昇さんとふたり、その日は満腹でぐっすり……

……のはずだった。

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