140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

軍隊って、下っ端がタメ語なんか絶対許されないようなイメージがあったけど、この人たちはそうじゃないみたい。


ふたりで歩いてたときより、昇さんの笑顔が増えた。

こんなふうにいつも冗談を言いあって、歌を歌ったりしている。

日中は敵がいるかもしれないから大きな声は出せないけど、それでもこうして笑っていれば目先の空腹も先行きの不安も、ずいぶん和らぐ。

なんかいいなぁって、思う。


ちょっと困ることといえば、やっぱりあたしが女だってバレないようにすること。

虫が嫌でも昇さんに乗せてもらって寝るわけにはいかなくなったり。

けど、もう虫が顔を這ってもわからないくらい爆睡だから、平気。
< 224 / 481 >

この作品をシェア

pagetop