140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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雨が降り止まない。

足元がぬかるんで、靴が沈んで重い。


蒸し暑さはあるのに、服が濡れているから体は冷えまくる。

天幕をレインコートがわりに使うけど、全身を覆えるわけじゃないから。


あたしも途中で亡くなってしまった人の背嚢をお借りして、その天幕や毛布を使わせてもらっている。

食べ物は入ってなかったけど、毛布と携帯天幕はありがたい。


それまでは昇さんが貸してくれていたから、今は昇さんも濡れなくなってホッとしてるんだけど、それでも男の人たちは体が大きいからあたしよりも濡れてしまう。
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