140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

向井さんはお腹の調子が治らないままこの雨に晒されて、日に日に悪くなっている気がする。

それでも向井さんは食べることが大好きで、いつも食べ物の話をする。


「ああ…また魚、食いてえっすね…」

「コイヅ、散々クソまみれになっでもまだ食い足らねえとよ!」

「まあ向井から食い意地とったらなんも残らねえからなぁ」

「よーし、爆弾乞いでもするか」

「んだな!っそれ、ばーくだん降れ降れ大漁だぁ~明っ日も魚が食いてぇなぁ~、あそーれ!ぴっちぴっちじゃっぶじゃっぶらんらんらんっとぉ!」


阿久津さんが童謡の替え歌を即興で歌いだした。

「おいおい、いつ敵が嗅ぎつけるかわからないんだぞ」

「なんの!このまま逃げ隠れるより俺は戦って死にたいぞ!」

「同じく!」

「そっすね」

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