140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

変なハイテンションになってみんなで合唱。


爆弾が落ちたらいいなんて誰も本気で思ってるわけはないけど、あのタナボタな光景は空腹で歩き続けるあたしたちにとって、本当にそれくらい魅力的なものだった。


あの日、湖に戻ったら湖岸に信じられないくらいの魚が浮いていた。

昇さんの言ったとおりだった。


半日かけて小さなカニやエビしか獲れなかった湖なのに、たった数分の爆発でこんなにも魚が、って、悔しさすらこみ上げた。

それをかき集めて、食べて。

結果、お腹は壊したけど、食べてるときは最高の気分だった。

少し大げさだけど……明日死ぬとしても、また食べたいと思うほどに。


だけどその晩、向井さんは大好きな食事の時間にも草陰で呻き続けて、あんまり遅いと心配した山根さんが様子を見に行くと、その場で気を失っていた。
< 228 / 481 >

この作品をシェア

pagetop