140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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翌日。

晩にみんなでテントまで運んで寝かせた向井さんは、なんとか起きて水を少しだけ飲んだ。

食欲がわかないらしい。


出せるものは全部出してしまったはずなのに、お腹ぺこぺこのはずなのに。

食べるのが大好きなはずなのに。


昨日の昼間も痩せたなぁと思ってたけど、今朝の向井さんはもうガイコツみたいにげっそりしていた。

当然、まともな速度で歩けるはずがなくて、あたしたちはふたりで歩いていた頃よりも多く休憩をいれながら、ゆっくりと進んだ。
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