140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

大粒の雨がとめどなく降り、水面を打つ音と濁流のうねるような轟音が響く。

昇さんが低い声でゆっくりと語り始めた。


「古賀は…………記憶喪失でも、生男でもないんだ」

「はぁ?何だそれ」

「あ?」

「どういうことすか?」


途端、3人の顔から笑いが消えた。

当然だ。

あたしたちが嘘をついていたということなのだから。
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