140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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予定外に時間が過ぎてしまったけど、雨は少し小降りになっていた。

渡河の準備をしたあたしたちは、樹に守られたジャングルの茂みから川へと向かう。

敵、来ませんように。


「弥生ちゃんは俺が担いでやっか」

「こいつは軽いから、俺が背負う。阿久津は向井を頼む」

「俺、行けるっす」

「そんな剥げた木の皮みたいな顔の奴、あんな風に流されるのがオチだぞ」

「間違いない」

「木の皮…すまねえっす……」

「おっしゃ、行ぐどおー!」
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