140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「昇さん、降ろして!あたし泳ぐ!」
「無理だ!お前まで流されるぞ」
「そしたらツタでも投げて!」
「……1mだ…そこまで連れてく」
「わかった」
川岸に茂る細い枝が掴めそうな距離まできて、あたしは昇さんの背中を離れた。
体が濁流に押し流される。
途端に視界が狭くなって、胸が苦しくなるような不安が襲ってきた。
体が強張りかける感覚…
だめ!びびってる場合じゃない!
泳げ!泳げあたし!