140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

服に水が纏わりついて、上手く泳げない。

それに抵抗して力を込めると、余計にマズくなる。


焦らない、焦らない。

流れに逆らわない、だんだん岸に近づけばいい。

水を飲んだりしないように、落ち着いて。


視線の先に、岸に上がった昇さんが見えた。

褌姿のまま川岸を走っていく。

山根さんを助けに行くんだね、頑張って!

心の中で背中にエールを送ったら、昇さんが振り向いた。
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