140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「手ぇ出せ!」


え? あたし?

岸に着けそうで着けないあたしを引き上げるため、少し先まで走ってくれていたんだ。

だけど、泳いでいる姿勢で手を伸ばすのは思ったより難しくて、水から手を出すと沈みそうになる。

頑張ってみても岸までは伸ばせなかった。


「先、行って!大、丈夫だからっ!」

「……っ!…………生きろよ!山根を引き上げたら戻るからな!」
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