140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「弥生!」

「昇さん、山根さんは?みんなは?」

「皆無事だよ」

「よかった!」


山根さんは、あたしが思っていたよりもずっと先まで流されていた。

向井さんを背負った阿久津さんのスピードでは追いつけなくて、川岸を走っていった昇さんが救助したようだった。

怖かったけど、不安だったけど、みんな無事で本当に良かった。


だけど、この流れの中を追いかけたことで、特に向井さんが水を大量に飲んでしまったみたいで。

みんなのところに着いたら、山根さんだけじゃなく向井さんまでもが横に寝かされていた。
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