140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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付近を探索に行った昇さんが、北側にセンタニ湖があるのを確認して戻ってきた。

目指すゲニムは、ホルランジヤから湖を通り過ぎて西の方角にある。

あたしたちはだいぶ流されて逆の方向に来てしまっているみたい。


地図も何もかも背嚢ごと筏に乗って行ってしまったから、ここからはみんなの頭の中にある地図を頼りに進むことになった。

命からがらのあたしたちに残されたのは、頭に乗せた軍服や刀と、それを包んでいた携帯天幕、ロープ、それから昇さんのカメラ。

それにあたしの、電波もGPSも使えないスマホ。

地図にもならないし、わかるのは日時と気温くらいだけど、ないよりはマシ。

はあ、明日からどうやって生きていけばいいんだろう…
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