140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

嘘の武勇伝、かぁ…

この時、あたしはどんな顔をして聞いていればいいんだろうって、きっと変な顔をしていたと思う。


「母ちゃん、ああ母ちゃん、ごめんよ。そうだよなぁ。お見通しだよなぁ。俺はいっづもこうやって格好つけては『このでれすけが!』って母ちゃんに叱られてたもんなぁ」

「……」

「母ちゃん、俺は手紙に書いだような飛行機乗りなんかじゃねーんだわ。ずっと倉庫番だ。恰好の良いことばーっし書いてたけんど、最近は畑を耕したりの毎日だ。まったぐ、農家は嫌だと言って志願したのに、これじゃあ家に居るのと同じだんべなぁ。ははは…」
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