140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「弥生ちゃん……俺…今、おかしなこと言ってたすよね?」
「…え、っとぉ……」
言わない方がいいのか、言ってもいいのか、あたしは返事に迷ってしまった。
「夢か幻か…、母親に会ったような気がするんす」
「実家の夢…?」
「そうっす。父親が死んで、女手ひとつで兄貴と俺、妹を育ててくれたんす」
「3人?すごい」
「昔っから出来の良い兄貴は学校に行きながら家で米も作って、いつも母親に頼りにされてて…俺は何か役に立ちたいと思っても、どうにも反発しちまって」
「……」
「農家なんか手伝わんと言って志願兵になったのも、本当は…」